鹿児島市中野内科-循環器疾患(心臓病)解説
循環器疾患(心臓病)を生まない生活スタイルの確立をサポートします!
突然ですが、皆さんは「体の中で最も重要な器官は?」と聞かれた時、どこをイメージしますか?
人間の思考や感情を司る「脳」
体内の老廃物などを体外へ排出する「腎臓」
アルコールの分解機能を持つ「肝臓」
などその人によって答えは様々だと思います。しかし、特にその中でも多数を占めると思われるものが、
人間が生きていく上で最も重要な臓器であり、絶えず血液の循環を行っている「心臓」
でしょう。
心臓は、血液を絶えず全身に循環させるための「ポンプ」の役割を果たしています。送り出された血液は、「血管」を通って各器官への酸素や栄養の供給、老廃物などの各器官への運搬を行います。その心臓と心臓から血液を全身に循環させる血管に関する疾患を「循環器疾患」といいます。
循環器疾患である「心臓病」(心筋梗塞・狭心症)は、ガンや脳卒中とともに日本の三大死因と言われており、高齢化社会が進むにつれその患者数は増加の一途を辿っています。
循環器疾患の種類としては、虚血性心疾患の「心筋梗塞」「狭心症」のほか、「心不全」「不整脈」などがあります。循環器疾患は動脈硬化の進行が原因で起こるものが多く、動脈硬化とつながりがある「高血圧」「糖尿病」「高脂血症」の方は特に注意が必要です。そのため、生活習慣(食事・運動)や喫煙、飲酒量の改善も行います。
循環器疾患のながれ
狭心症
狭心症は、心筋梗塞などと同じ虚血性心疾患の一つで、動脈硬化などが原因で血管が詰まることで胸部の痛みや圧迫感、動悸、息切れ、不整脈などの症状が起こります。特に、軽く体を動かした時(階段の昇降など)に胸の痛みが起こりやすいのが特徴です。さらに、症状を放置すると心筋梗塞などを引き起こす可能性があります。
治療法は、薬物療法や冠動脈バイパス手術などを症状に応じて行います。さらに、動脈硬化の進行を防ぐため、動脈硬化の原因である糖尿病や高血圧、高脂血症などの疾患の改善と禁煙も併せて行います。
心不全
心不全は、心臓の役割である全身への血液の供給が低下した状態をいいます。その結果、肺に血液が溜まる肺うっ血が起こります。原因としては、虚血性心疾患の狭心症や心筋梗塞などがあり、呼吸困難(起坐呼吸)や動悸、息切れ、疲労感、むくみなどの症状が現れます。
治療法では、利尿薬や強心薬、血管拡張薬などを症状や原因疾患に応じて使い分け、安静状態を心掛けます。
心筋梗塞
心筋梗塞は、狭心症などと同じ虚血性心疾患の一つで、動脈硬化によって血管が詰まり心筋が壊死した状態をいいます。激しい胸の痛みや呼吸困難などの発作を伴いますが、痛みの少ないケースもあることから注意が必要です。安静時や体を動かしている最中など関係なく、激しい胸の痛みが起こるようになると、心筋梗塞の可能性が高まります。冬場や入浴中の発症が多いのも特徴の一つです。
治療法は、症状に応じてアスピリンや血栓溶解薬の投与やカテーテル治療、バイパス手術などを行います。さらに、狭心症と同じく動脈硬化のリスクを下げるため糖尿病や高血圧、高脂血症などの疾患の改善と禁煙も併せて行い、心臓に負担をかけないよう安静を心掛けます。
もし心筋梗塞の発作が起きた場合、その1分1秒が非常に大切になってきます。人工呼吸や心臓マッサージ、AEDの使用などの応急処置を迅速に行い、救急車の到着を待ちましょう。
不整脈
不整脈は、心臓が動くペースやリズムに乱れが生じた状態で、治療を要さないものから、心室細動など即治療を行わなければ命に関わるものなど種類は様々です。しかし、不整脈の大部分は治療の必要がなく、放置しておいても問題ありません。主な症状としては、胸の痛み・圧迫感や動悸、息切れなどが起こります。
治療法は、症状に応じて抗不整脈薬などの投与やAED(自動体外式除細動器)の使用、カテーテル治療、ペースメーカーの埋め込みなどを行います。不整脈がある方は、定期的に健診で心電図検査などを受けるなどして自分の状態を常に把握しておきましょう。
当院は循環器内科を標榜しており、手術は行わず問診や薬物治療などを主に行っています。もし手術が必要な場合は、患者本人様及びそのご家族のご了解をとった上で、国立病院機構鹿児島医療センターなど循環器疾患の手術が可能な提携先病院をご紹介致します。